異次元

ある日、あるとき、

私は“私”になっていた。

砂時計を返したのは私。

“私”は
知らない。

異次元

たとえば、寒い冬の日。
仕事を終えて、帰り道。
ようやく我が家が見えてくる。

タイマーで暖房かけて
今頃いい感じで ぬくもってるはず。

仕事で疲れて眠たくて
雪が降り積もって寒く ...

ストーリー, 異次元

朝、電気をつけたまま学校に行ってしまった。
夕方帰って驚いて、消してから再び出かけた。
夜帰ってきたら、カギ開けっぱなしだった。
私をうまく、象徴する出来事だ。

学校で、個室を利用する研究をするとき ...

異次元

ひとつのことを、考え続けられない。

ふっと風向きが変わる感じで、その瞬間
意識が別な方を向いている。

ただ感情だけが残されて
うれしかったり、イライラしてたり

でも、なぜそんな気持ち ...

異次元

歯科矯正で装着してた、保定装置が外れてしまった。
いつもファミマで買ってる
井村屋の『さくら練乳あずき最中』のせいだ。

西条に出て、歯医者に行って、カラオケに行って。
ついでに買い物にまで行き、バイ ...

異次元

たぶん人に比べて、空想にふけることは少ない。
目に映るもの、感じられるもの
外の世界にひかれやすいタチ。

ただ、人に接触しようとしない
人の接触を避けようとする。

物心つく前からそうだっ ...

ストーリー, 異次元

青すぎるブルーな夜
ひとりでいると、ろくなことを考えない。

模様、色、光、影、好きなもの、嫌いなもの
現在、過去、いいもの、悪いもの、現実、空想…
ぐちゃぐちゃに、一度に意識を占めようとする。 ...

旅行, 異次元

昨日は朝から雨模様。
新幹線の窓にしずくが、風にゆらいで落ちていく。

「蒼い小さい人魂が、儚くゆれて落ちていく。」
子どもの頃に、車窓に流れる雨に見入って
そんなことを、よく考えていた。 ...