異次元

すべての憂鬱と
逆の方向にまわる。

それが何か知らない。

その場所か
そのひとか
その色か
その音か
その風か。

水色と黒と、黄色と黒との
あげは蝶の ...

異次元

おとといは 大切で大切で
決して手放したくないと思った。

決して手放したくないそれが
今日
気がつくと

意に介さないものになってる。

開封したキャラメルの
包み紙のよ ...

異次元

2月。

寒くて手が かじかんでると
キャラメルの薄い包み紙が
うまく開けられない。

手がいうこときかなくて
すぐに落としてしまう。
紙をつまんでる感覚もないから
紙が全然 ...

異次元

穴だらけで 擦り切れて
継ぎはぎで ボロボロなコートを着て
壊れかけの鞄を背負って
髪も整えず メイクせず
ただ 職場と家の往復をする。

それでも

鏡を見て 紅さして
で ...

異次元

強がりは
依存心や自己憐憫と紙一重。

壁うすい上
すっげー崩れやすいんだ。

三週間前の神社に生えてた
謎の木の実。

やっぱ 8月は夏の色
濃い緑色に 元気が

ストーリー, 異次元

あの日…
チーフが異動した日
プレモニションは始まっていた。

新しいチーフのもと
殺伐とした空気が ゆっくりと広がって

すべての関係性は決裂して
7ヶ月後
私は バイトを ...

異次元

最悪なときは
考えるどころじゃない。

アスファルトに 沈み込むように
横たわってた。
そこに“存在する”ことに必死だった。

やがて、地面のざらつきを 掌に感じながら
ぼんやり モ ...

異次元

広島に行く日は
仕事がちょっと長引いて
夜の東京駅まで山手線。

地下鉄で行くつもりだったけど
おかげで 偶然
JRの構内に入ることになった。

そういえば
前の職場も、東京 ...

異次元

診断っていうのは
病気をつくる仕事だ。

診断によって
理解されることもあれば
理解から遠ざかることもある。

たとえば誤診、とか。

診断が正しくても
診断名に流されると ...

異次元

窓は窓であるゆえ、雨風で傷はつく。
そういうもんだ、と
あきらめ そのまま受け入れるモノと思ってた。

だけど窓ガラスの傷ひとつも許せない。
その傷を いかに他者の責任にするか。
そういう社会 ...