イレギュラー
最悪なときは
考えるどころじゃない。
アスファルトに 沈み込むように
横たわってた。
そこに“存在する”ことに必死だった。
やがて、地面のざらつきを 掌に感じながら
ぼんやり モノを考えてた。
……
あの頃…
広島から鳥取に戻ることを決めた。
でも鳥取には居られなかった。
あの手この手を使って 最後は
勝手に 着の身着のまま
無謀にも飛び出してきた。
今 こんなんじゃ
鳥取に帰れって言われるかな。
帰るトコも、ないけど。
働かなきゃ、生きられない。
でも 動けない…堂々巡り。
堂々巡り…
体調が悪いと悪いコトを考えがち。
こんだけ無駄なことを考える…
思えば無駄なエネルギー。
エネルギーがあるなら
とっとと起きろよ。
あぁ…
私は、イレギュラーだ。
イレギュラーだからこそ
自分で戦わなきゃいけない。
かわりに
自分で生きる自由を手に入れた。
…行かなきゃね。
ゆっくり、立ち上がって
ジャンバーの砂を払う。
退路はない。
一歩でも 進むしかない。