trickster2

「詳しく教えてくれて有り難う!!」
返信が来た。

「Kは、就活でバタバタしている最中
研究の方も思うように行かず
“自分はダメだ!”って感じになっちゃったみたいで

誰にも相談できず…
最終的に日常生活ができなくなって
研究もできなくなったので」

うつ病って感じ…だよ。
元気な人は 自分はダメだって思ったら
ダメじゃなくなるようにがんばるし。

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「休むにも診断書が必要ということで、
大学の相談室に行ったら
最初の精神科医を紹介され、そこで
“うつ病”と診断されたのだと思います。

しかし、その精神科医は薬だけ出して
あまり親身になってくれないという噂があり…

実際、Kが夏に帰った時
“心臓がパクパクする”と言い
薬の副作用か?と医師に電話してたけど、
担当医不在で“様子見ましょう”になって…

セカンドオピニオンの流れになって、
大学病院の精神科に移ったという経緯で」

突如として現れた セカンドオピニオンの流れ。
すぐ対応してもらえなかったのがいけなかったのか?

う~ん、薬をやめさせるために
あまり親身になってくれないという噂が
いいように使われてるような…。

結局 診断も薬も そのままけど。

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「大学の相談室(カウンセラー完備)に相談したのに
最初から大学病院を紹介しろ!って話しで
MRIまで撮られてさ~、脳に異常はないって!」

なんでMRI撮られて怒ってるんだろ。
「脳腫瘍とか他の病気で 気分の変調を来している可能性を
否定するために 必要だったと思う。
というか、むしろ そこまでして
「うつ病」を診断しているわけだから
ちゃんとした病院だと判断していいと思うよ。」

…だよね?
「大学へ戻っても状態はイマイチだったみたいで、
教授からお母さんに電話連絡まであってさ~
“朝が起きられないみたいで…”なんて」

心臓がパクパクするから 朝起きられないの?

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「実家に帰るか?という話になったけど、帰ってもね~
本人も大学に居た方が良いと言うし、
とにかく通常の生活ができる訓練をしよう!ということで
毎朝モーニングコールをして!
ちゃんと食事をすることから」

いや、療養というイミで
実家に帰るのもアリだと思う。

家族との関係が悪くなければ
医師もそれを勧めるんじゃないかな。

母が懸念するトコは 世間体、だと思う。

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「それで今は薬は続いているけど
朝もモーニングコール無しで起きれるようになり、
通常の生活も、
研究もできるようには なっています。

お父さんが“精神科の薬は一生涯止められない”とか、
“副作用で眠くなる”とか“しんどい”とか
聞いてきて、
心配になってしまい
早く薬が止められないものかと」

それは…そういうコトもある。
ただ、向精神薬を全部一緒にしちゃいけない。

「たとえば 統合失調症のひとは、
薬は一生続けたほうが良いって言われることが多いかな
患者判断で薬をやめた場合、統合失調症は ほぼ再発するから。

症状の再燃を繰り返すたびに
脳のダメージが増えたり
症状が悪化したりということもあるし。

やめたくなるほど 副作用がキツい…
薬飲んでる間は 症状が抑えられるから、
飲まないほうが楽だと感じるんだよね。

でも、先のことを考えると
お医者さんが やめられると判断するまで
薬を続けるべきだよ。

うつ病だって 再発が良くないことは 同じ」

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「でも、Kを見る限りでは変わらないんだけど。
どうも“うつ病”とは思えなくて
本人も“うつ病じゃないと思う”って言うしさ~

飲まないで良い薬は飲ませたくないじゃない?
…でも様子を見るしかないみたいね」

あぁ…もう!

「Kを見るかぎり、変わらないかもしれない。
でも それならなぜ、自分はダメだと思い詰めて
研究や日常生活ができなくなるトコまでいっちゃったのかな?

元気だったら 何もできなくなるまで
心のエネルギーを枯渇させたりしない。

Kは怠けじゃなくて、
神経伝達物質が足りないことで
イロイロできなくなってて、
それにお医者さんが「うつ病」っていう
名前を与えただけ。

ヘモグロビンが足りなくて フラフラしてるのに
「貧血」って名前を与えるのと同じだよ。

ただ 客観的数値が無いから
わかりづらいよね。
だからホント、お医者さんの判断に委ねるのがいちばんだと思うよ。」

・・・この返事でわかってくれるかな。

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「長くなってごめんね。
有り難う!
良く理解できました。」

良く理解できた…って
マジで!?

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