たいへんだったこと

当時…28歳くらいだったと思う。
お菓子を作ろうとしたら
材料のたまごがなかったので
買物に出かけた。

いつものお店、いつもの売り場。
いつものたまご売り場に来た。

いつものたまごが
売り切れていた。

かわりに誰かが置いていった
マッシュルームが
棚にポツンと置いてあった。

マッシュルームを 買い物カゴに入れ、
そのままレジに並んだ。

家に帰って
たまごを使わずに お菓子を作った。

…じゃあなんで、買物に行ったんだ。
なんで 意味のないものを買って帰るんだ。

当時も独り暮らしして
自炊して
当然、買い物も自分でする。

私の行動の意味を
理解できる人はいるだろうか。

マッシュルームは たまごではない。
それは 認識してる。

でも たまごの棚にあるものは
たまごでなければならない。
それが何であるかは関係なく“たまご”。
…よし、買って帰ろう!

ずれた認識に そのまま現実が積み上げられていく。
それが異常だとわかるのに
ものすごく苦労した。

いや、まず
この歪みにたどり着くまでも長かった。
自分の認識が間違ってるなんで
更々思っていないんだ。
私はしばしば
友人に呆れられ、知人に怒られ
会社からは・・・。

たとえたまごの棚にあったとしても
マッシュルームはマッシュルームということは
認識してても、あまり納得できなかった。

いつもの場所に いつもの物がないこともある。
いつもの場所に いつもと違うものがあることもある。

納得できなかったけど
だんだんと 少しずつ
なんとなくわかってきた。

同じようなことはいっぱいある。

同じような人は
そういっぱいは居ないと思う。

だから ほとんど理解できないと知ってる。


べつに明るくなんかないのに
ただ白いというだけで
それが眩しいと思ってしまう。

これは、みんなも同じだね。

異次元

Posted by 禅寺丸