鳥取帰郷(6)

アンドリュースを出たあと
ふたたび「布勢入口」の信号まで
逆戻りした。
布勢街道のもうひとつの終点が
左右にのびる 湖山街道。
駅があって、バスの本数も比較的多く
街道沿いには お店がたくさん立ち並ぶ
鳥取市でいちばんにぎやかな道。
しかし…
目の前をバスが通り過ぎた。
タッチの差で
目的のバスに乗り遅れた。
次の賀露行きバスは1時間10分後。
仕方ないので 街道沿いを
そぞろ歩いていたら
古着屋さんがあって、立ち寄った。
鳥取行きのバスの中 および
鳥取に着いたときの 最初の感想は
「寒い!」。
ちょうど夏物のアウターが欲しかったし
ここで買って帰ることにした。
服は私にとって“贅沢”で
たった一着選ぶのにも
時間が異常にかかる。
店を出たときには、いい加減な時間。
ほどなく無事に
次のバスに乗ることができ
ようやく 目的の賀露港にたどりついた。
 
釣られた魚を狙ってか
トンビの声が あちこちに響いていた。
そしてなんか
モニュメントと化している鳥も…
 
漁港に着いた頃は
夕日が海に伸びていた。
 
そして砂浜。
 
賀露は 昔から親しんでいて
海といったらココ。
打ち寄せる波の音
タプタプという 水がためらうような音
そして波が来る前の 音にならない音。
砂と潮の匂い。
水の色、感触、味…
  
 
時期が合えば
海に沈んでいく太陽が見えるけど
今日は赤くてちっちゃい太陽が
このまま雲のうしろに隠れそう。
  
砂浜には 葉が厚い
独特な花が咲く。
緑の草の実は熟し
ツクツクボウシとアブラゼミと
ヒグラシの大合唱に
秋の虫の音。
   
贅沢な季節。
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